病院
2024.12
千葉県
医療法人柏葉会 柏戸病院
空調機復旧の苦労を教訓に、遠隔監視と継続的な保守・メンテナンスを通じ13年間にわたって快適な空調環境を保証してくれるエアアズアサービスが合理的だと考え、導入させていただきました。
やさしい医療、かしこい医療、何よりも安全な医療を地域住民の方々に提供している医療法人柏葉会 柏戸病院様。今回、エアアズアサービスを導入した経緯と効果について、理事 川野 雅彦様に詳しくお話を伺いました。
建物: | RC造 8階建(B1F) 延床面積 10,603m2 |
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契約年数: | 13年 |
工事概要: | 階床 地上1~7階(1~3階は外来、検査、リハビリ、手術/4階~7階は病室 合計170床) 空調 ビル用マルチ(冷暖フリー含む)25系統、店舗用3系統合計28系統、総馬力451馬力、室内機279台 |
千葉市で内科医療を中心に展開
医療法人柏葉会 柏戸病院様の概要をお聞かせください。
1928年1月に柏戸内科病院として開業した当院は、千葉県内の民間病院としては2番目に歴史がある医療機関となります。地元に根付いた医療機関として、現在は内科・循環器内科・脳神経内科・糖尿病内科・消化器内科・呼吸器内科・肝臓内科・外科・消化器外科・肛門外科・整形外科・眼科・リハビリ科の医療科目を標榜し、170(一般病床86床、回復期リハビリテーション病床43床、療養病床41床)の病床を用意。このほか医療法人柏葉会では、柏戸病院デイケア、かしわど訪問看護ステーション、院内保育どんぐりハウスを併設し、さらに健診などを展開する一般財団法人 柏戸記念財団も運営しています。
猛暑のなか、空調機復旧の作業に追われる
今回、空調機更新のきっかけをお聞かせください。
2023年8月に外来エリアなどの空調が故障し、看護師が熱中症にかかるなど、空調機の復旧に苦労したことがきっかけです。当院の現建物は2014年7月に竣工し、約10年が経過。建物付属設備に相当する空調機の耐用年数は15年とありますが、それはあくまで減価償却費などの会計処理上、法律で定められた寿命の話です。当院のような医療機関は、24時間フルに空調機を稼働させる必要があるため、どうしても10年前後で何らかの故障が散見するようになります。実際、直近1年間で病棟や売店、外来など、さまざまなエリアで空調機の不具合が発生していました。
毎年のように猛暑が続く現在、入院している患者様がいる医療機関において空調機の故障は、大きなリスクと言わざるを得ません。そこで、空調機の更新を考えるようになりました。
入院されている患者様も多いと伺っています。空調機はどのように管理されていたのでしょうか。
院内を快適な温度に保つべきという考えのもと、病室においては温度計を設置し、徹底した温度管理を実施。感染症の流行もありましたから、温度だけでなく湿度の面からも快適な環境を提供できるようにしていました。また、高齢者の方々が多いため、ある程度、患者様に部屋のコントロールをお任せしつつ、快適に過ごしていただけるように我々も温度と湿度の数値に注意する状況でした。
昨年の故障時の対応を教えてください。
診察・治療を待っている大勢の患者様がいらっしゃいますから、空調機が故障したからといって、医療の提供を停止するわけにはいきません。昨年、空調機が故障した際は、故障していないエリアからサーキュレーターで風を送る方法を取り入れながら、スポットクーラーを設置。復旧するまで緊急の対応をしていました。一部自前で所有しているスポットクーラーもありましたが、基本はレンタルのため、すぐに依頼をかけてもレンタルできない場合も多く、このときの対応は非常に苦労しました。
また、特定の業者と空調設備の保守契約を締結していなかったため、修理を依頼しても、修理が多数発生する夏場は対応に時間がかかってしまいます。実際、昨年は空調機が復旧するまで約2週間の時間を要しました。このとき、空調機を復旧させるための手間やコストは少なくなく、空調機更新の決断につながっていきました。
補助金を利用した一括更新を転換した理由
空調機更新のプロセスについてお聞かせください。
当初は別の業者を考えていたと伺っています。
別の業者から、経済産業省に補助金を申請しつつ、空調機を一括更新する提案をいただきました。補助金である程度コストを抑えることができるならと考え、当初はその業者にお願いするつもりでした。補助金の申請も通過し、いよいよというところでダイキンエアテクノから営業をいただいた次第です。
ダイキンエアテクノとはどのようなやり取りをされたのでしょうか。
ダイキンエアテクノの積極的な営業に根負けした部分はありました。本当に一生懸命に営業していただきましたから、ダイキンエアテクノが提案するエアアズアサービスを検討しないわけにはきません。あらためて2社の提案を比較・検討させていただきました。
継続的な保守・メンテナンスが合理的
エアアズアサービスを選定したポイントについてお聞かせください。
今回の空調更新にあたり、エアアズアサービスを選んだ理由は大きく3つあります。
13年間にわたり快適な空調環境を実現してくれること
従来は故障が起きてから修理を依頼し、その間は緊急対応で凌ぐ形で対処していました。エアアズアサービスであれば、遠隔監視を通じ、空調データから故障を予測し「壊れてから直すのではなく、壊れる前に予兆をする」ことが可能。快適な空調環境を13年間にわたって実現してくれることが決め手のひとつとなりました。空調のプロフェッショナルであるダイキングループに任せることができる点は、空調機の重要性が高い医療機関において安心感が違います。遠隔監視を通じ、故障を起こさない仕組みをつくってくれる点、万が一故障が起きた場合、迅速に対応いただける点を高く評価しました。
初期投資がないこと
高額な設備投資の場合、リースを活用しながら導入するのが一般的ですが、エアアズアサービスは初期投資不要のサブスクリプション方式。初期投資不要で空調機を更新し、かつサービスを始められる点が魅力でした。医療機関という業界の特性上、大きな設備投資を行うことが難しいため、多くの病院にとってメリットがある方法だと思います。もちろん、当院の設備投資方針とも合致していました。
ライフサイクル全体で考えると最適な手法であること
手間・コストの観点からもエアアズアサービスにメリットがあると感じました。当初は補助金を活用しながら一括購入する方法に十分メリットがあると考えていました。懸念点は、管理はもちろん、保守やメンテナンスを含めて我々の手で行う必要があること。このやり方はすでに経験済みで、将来やってくる手間やコストには不安が募るばかりです。
その点、エアアズアサービスは、遠隔監視によって空調停止リスクは低減されており、保守・メンテナンス費用も含まれた契約となっています。全体でかかる手間・コストを考えると、エアアズアサービスを通じて空調更新を行い、継続的に保守・メンテナンスしてもらう方が合理的な方法であると考えました。
エアアズアサービス導入工事におけるダイキンエアテクノの対応はいかがでしたか。
夏場に向けて緊急を要する4階~7階の病室階と1階外来の第一期工事(2024年3月1日~5月10日)が終了し、現在は1階~3階の待合室、検査室、リハビリ室、手術室、事務所、厨房・食堂、柏戸病院デイケア、院内保育どんぐりハウスなどの第二期工事(2024年10月1日~11月30日予定)を待っている状況です。
当院の看護師・看護師長は常に患者様ファーストで考えるため、患者様の容態に応じて「今日ここは駄目です」「あっちをお願いします」といった急なお願いする場合があります。そういった当院からの要望に対し、工事担当の方は非常に柔軟かつ丁寧な物腰で対応いただきました。普段、看護師長は業者を褒めることはしませんが、ダイキンエアテクノの工事担当の方に対する評価は高かったようです。とても感謝していました。
更新後は患者様、医療従事者も満足
エアアズアサービス導入後の効果をお聞かせください。
新品で当り前かもしれませんが、よく冷えるので設定温度は少し上げています。実際、昨年と今年を比較し、使用電気料を抑えることができました(表)。利用し続けてデータが蓄積されていけば、データ活用と機器容量の最適化でさらなる使用電気料の削減が可能とのこと。今後も期待しています。ほか、以下の評価・効果を挙げさせていただきます。
患者様、医療従事者からはノークレーム
患者様、医療従事者からは、空調に関する声がまったく挙がってきていません。つまり、「何も文句がない」ということです。そもそも空調機は日常に溶け込んでいるものですから、良いときに声は挙がりません。間違いなく満足していると思います。
ダイキンエアテクノの素早い対応を確認
更新した一部の空調機に異音がしていたため、ダイキンエアテクノに連絡。すぐに駆け付け、調整していただきました。エアアズアサービスが約束している「故障時は原則72時間以 内に復旧」を確認することができ、非常に安心しました。
遠隔監視への期待
エアコンの運転状況を監視し、故障の予兆を事前に把握できる遠隔監視は、第二期工事終了後に説明していただけるとのこと。評価するには至っていませんが、非常に期待していますから、挙げさせていただきました。
第1期工事にて更新後との比較
使用電力量は空調設備以外も含めた比較となるため、空調設備更新以外の要因も混在
電気料金は前年単価にて算出し比較
エアアズアサービスの先行ユーザーとして、空調機の更新や管理に悩まれている医療施設、そして管理者に向けたアドバイスがあればお願いします。
空調機の復旧は「調査日の調整」「現地調査」「必要部品の調達」「復旧作業」といったフローとなるため、時間もコストもかかります。医療機関は高齢の患者様が多数入院されていますから、復旧の遅れは大きなリスクでしかありません。そういった意味では、エアアズアサービスは圧倒的なメリットがあります。
当院からいえることは、医療機関であれば導入をお勧めします。当院におけるエアアズアサービスの利用状況は、いつでもお話させていただきますし、他の医療機関にも紹介させていただくつもりです。
ダイキンエアテクノより
病院経営における一番の課題は「働き方改革をいかにやり遂げるか」、いわゆる労務管理ではないかと考えます。その労務管理において、生産性の低下を招くことなく遂行する難しさは、察するに余りあります。この度、エアアズアサービスを採用していただいた最大のポイントは、生産性向上を総合的に評価していただいたことだと思っています。そして、エアアズアサービスは最適解を提供するものと確信していただいたところに感謝しております。この先13年間、生産性向上の評価を鑑みながら、しっかりとお付き合いさせていただければと存じます。今後ともよろしくお願いいたします。
東京支店 企画管理部 企画Gr 本間 洋
【サービス提供元】
月額固定料金で快適な空調空間を提供する、ダイキンエアテクノと三井物産との合弁会社です。
空調設備の導入・更新・運用に関するお困りごとをワンストップで代行。手間と費用を軽減し、省エネで快適な空調空間を提供します。
日々の運転管理や定期的な清掃といったメンテナンス・フロン排出抑制法対応等を、ICTの利活用により効率化且つ高度化し、コストミニマムサービスとしてお客様に提供しながらも、予防保全(プリベンティブメンテナンス)によって止めない空調を実現し、安心・快適な室内環境づくりをお約束します。
取材日:2024年12月