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2023.05

愛知県

株式会社明和eテック

環境問題、SDGsへの貢献に取り組む当社にとって、ZEBは願ってもない提案でした。補助金やダイキンエアテクノのサポートもあり、無事にZEB認定の社屋を完成させることができました

DXを駆使して自動車製造に欠かせない生産設備およびシステムをつくるだけでなく、環境問題、SDGsへの貢献にも積極的に取り組む株式会社明和eテック。今回、本社棟にてZEBを採用した経緯と期待について、常務取締役 横井 佳広様、総務部 次長 磯貝 昌宏様、総務部 総務グループ 係長 山本 誠様、総務部 総務グループ 鮫島 聖一郎様に詳しく伺いました。

※ZEB(ゼブ):ネット・ゼロ・エネルギー・ビル/Net Zero Energy Building。快適な室内環境を実現しながら、高断熱化・日射遮蔽、自然エネルギー利用、高効率設備によって省エネルギーに努め(省エネ)、太陽光発電などによってエネルギーを創る(創エネ)ことで、年間の一次エネルギーの収支ゼロを目指した建物のこと

  • ZEB
  • 補助金

1.最新DXを駆使して生産設備を製造

明和eテックの会社概要をお聞かせください。

1969年の創業以来、自動車の製造に欠かせない生産設備およびシステムを受注生産しています。現在は物流の自動化や搬送の自動化を実現する「AMR(自律走行搬送ロボット)」、AIアルゴリズムによる目視検査の自動化やビッグデータの分析に寄与する「AI・ビッグデータ」、人とロボットが共存するロボットシステムやお客様ごとに専用設計したメカトロシステムの「ロボット・機械装置」、生産設備制御のソフト開発から設備施工まで提供する「電機・FA制御」、生産履歴管理やAIアルゴリズムを活用した設備兆候管理などの「製造DX」のテクノロジーを軸に事業を推進。生産性向上や省人化といったお客様の課題を解決すべく、これらのテクノロジーを駆使しトータルソリューションで次世代の生産現場を創造しています。また今後は、自動車産業で培った技術やノウハウをさまざまな産業分野にも展開していきたいと考えています。

なお、明和eテックのeにはエンジニアリングのほか、エコロジーやエナジーコントロールなど、環境問題への取り組みを含めてさまざまな意味が込められています。そうした観点からすると、今回のZEBの取り組みは当社とって自然な流れと言えるかもしれません。

2.省エネ、リサイクル、職場環境の改善に取り組む

御社は環境問題やSDGsへの貢献に対して積極的に取り組んでいると伺っています。

ISO14001認証の環境マネジメントシステム取得とともに、サプライチェーン全体を考慮した環境保全活動を推進し、環境負荷の低減効果を向上させることを環境理念に掲げています。その環境理念をもとに、当社はSDGsに貢献する取り組みを実践しています。SDGsの17の目標に照らし合わせると、次のような取り組みはSDGsに貢献していると考えています。

まず「7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに」「13.気候変動に具体的な対策を」につながっていく施策として、今回のZEBが挙げられます。さらに今後は、隣接する工場には太陽光パネルを設置して再生可能エネルギーの導入比率を高めていく予定です。また、ロボットシステムやAIを活用した検査装置など、当社が提案するソリューションそのものが「9.産業と技術革新の基盤をつくろう」「12.つくる責任 つかう責任」につながる技術開発と言えると思います。

10年ほど前から産業廃棄物のゼロエミッション化にも取り組んでおり、産業廃棄物の7~8割を占める廃プラスチックの100%エネルギー化を実現しています。現在は製品サイクル全体のなかで資源化後の循環性を高めることをテーマに、さらなるリサイクルに取り組んでいます。これらは「11.住み続けられるまちづくりを」と前述した「12.つくる責任 つかう責任」に関連する取り組みになります。

すべての従業員が「働きやすく、働きがいのある安心安全な職場をつくろう」ということで、安全衛生環境委員会のもと、健康経営および職場環境の改善にも取り組んでいます。メンタルヘルス対策、過重労働対策、社員食堂における健康メニューの導入、血圧測定器の設置、喫煙対策、禁煙サポート、感染予防対策などの施策を評価いただき、2022年3月には経済産業省と日本健康会議が進める健康経営優良法人認定制度において、「健康経営優良法人2022(中小規模法人部門)」に認定されました。これらは「3.すべての人に健康と福祉を」「5.ジェンダー平等を実現しよう」「8.働きがいも経済成長も」に関連する取り組みと考えています。

ダイキンエアテクノとはいつからのお付き合いになりますか。

フロン排出抑制法の施行により、空調機の室外機の点検が義務化されるということで、2016年の秋ぐらいにダイキンエアテクノのホームページから問い合わせさせていただきました。そのときは話を伺っただけでしたが、2017年の冬に空調機のトラブルが散見するようになり、よりスピーディーな修理の対応を求め、あらためてダイキンエアテクノに相談させていただきました。

その後、ダイキンエアテクノに足を運んでもらい、当社の空調機の状況を確認してもらうなかで、アドバイスやメンテナンス・修理の流れなどを的確に分かりやすくお話していただきました。しかも、修理の際はスピーディーに対応していただけるとのこと。空調機のトラブルで暑さや寒さをしのげないとき、とくに夏の暑い時期は業務の生産性にも影響しますから、従業員に修理日を明確かつスピーディーに伝えられるのは有り難いと思いました。

さらに、適正価格と言える見積りをご提示いただきましたので、空調機のフロン点検とメンテナンスを正式に契約させていただきました。

常務取締役 横井 佳広様

常務取締役 横井 佳広様

総務部 次長 磯貝 昌宏様

総務部 次長 磯貝 昌宏様

3.環境理念に合致するZEB

ダイキンエアテクノからZEBの提案を受けたとき、どういった印象を持ちましたか。

環境問題に取り組む当社の理念に合致するZEBは、願ってもない取り組みというのが第一印象でした。しかも「ネット・ゼロ・エネルギー・ビル実証事業」として住宅・建築物需給一体型等省エネルギー投資促進事業費補助金を利用できるのも大変有意義なことと思います。

また、ZEBにするかしないかは別として、2009年に本社棟が竣工して10年以上が経過しており、近年は修理の度にかなりの費用が発生していたこともあって、近いうちに大規模なリニューアルが必要だと思っていました。加えて、さらなる職場環境の改善の取り組みも必要だと感じていたため、最終的にはZEBにする決断をしました。

工事の進捗状況はいかがでしたか。

2022年9月30日から2023年1月末というタイトな工期でしたが、ダイキンエアテクノと従業員双方の協力により、滞りなくZEBの工事を進めることができました。まず、ダイキンエアテクノには平日の工事をできるだけ削減し、土日に工事をまとめてもらうなどの配慮をしていただいたおかげで、業務や従業員への影響はほとんどありませんでした。どうしても平日に作業を行う場合は、別の場所に執務エリアを設け、一定の期間だけそこに移動して業務を行ってもらいました。これにより、影響は最小限だったと思います。

また、図面だけでは工事のエリアが分かり難かったため、座席表を図面に落とし込んで照明工事や空調工事の予定を従業員に案内。こうした取り組みもトラブル防止につながりました。

総務部 総務グループ 係長 山本 誠様

総務部 総務グループ 係長 山本 誠様

総務部 総務グループ 鮫島 聖一郎様

総務部 総務グループ 鮫島 聖一郎様

4.長年の宿題だった電力量の見える化を実現

ZEBへの評価をお聞かせください。

工事が終わって間もないため、効果を感じるのはこれからだと思いますが、これまでの状況を踏まえてお伝えさせていただきます。

空調機のダウンサイジング&性能向上

一部の空調機をダウンサイジングしましたが、性能が向上しているせいか、以前と同じ温度設定でも効きがよく感じます。また、ON/OFFの自動制御により、設定した時間に自動でOFFになりますから、以前のような消し忘れがなくなりました。

照明のLED化と調光制御による省エネ

蛍光灯をLEDに切り替えました。以前は省エネ対策もあり、あえて消灯している蛍光灯があったため、従業員からは暗いと不評でしたが、現在は消費電力が低いLEDですから消灯していません。社内が明るくなったと従業員からは好評です。「LEDが点いているだけでエコを感じる」という意見もありました、また、エントランスは自動消灯、窓際の執務室は調光制御によって省エネも担保されています。

エントランスの照明と空調機は自動制御により、消し忘れがなくなった
エントランスの照明と空調機は自動制御により、消し忘れがなくなった

電力量の見える化を実現

空調設備や照明、各コンセントの使用量など、「エネルギーの見える化」が長年の宿題でした。これまでもセンサーなどを設置して試みようとしましたが、かなりの工数とかコストがかかるため、断念せざるを得ませんでした。

今回、ZEBによって「エネルギーの見える化」を実現できるダイキンエアテクノのクラウド型空調コントロールサービス「DK-CONNECT」も導入。定量的な数値が得られるようになったため、省エネへ対策はもちろん、環境問題の取り組みも容易になりました。なお、エントランスには「DK-CONNECT」の稼働状況が分かるモニターを設置。時間別エネルギー消費量などがリアルタイムで分かるようになりました。

さまざまな認定書とともにZEBの認定を示す証明書がある

さまざまな認定書とともにZEBの認定を示す証明書がある

現在のエネルギー消費量などが分かるエントランスのモニター

現在のエネルギー消費量などが分かるエントランスのモニター

補助金申請のサポート

ZEBの補助金については知見がまったくありませんでした。無事に補助金の申請を行い、認可を得られたのは、ダイキンエアテクノのサポートのおかげなのは間違いありません。執行団体とのやり取りについてもアドバイスをいただき、本当に助かりました。

ZEBにより、新たに導入した空調機(屋上の室外機と室内機)

5.ハード面とソフト面、両面で推進

今後の展開をお聞かせください。

今後は電気の部分だけでなく、ペーパレス化による紙の削減にも取り組んでいく予定です。ただ、今後さらに環境問題やSDGsへの貢献を推進していくためには、従業員一人ひとりが無駄をなくす意識を高めていくことが大事だと考えています。電力や紙を節約できても、ほかに無駄なものを排出してしまっていては意味がありません。今後の取り組みとしては、ハード面とソフト面、両面で推進していかなければならないと思っています。

こうした取り組みで利益が生まれれば、従業員に還元するという考えもあります。早く帰宅できる、生活水準を向上できるなど、従業員にもメリットとして返ってくるということです。そしてそれが、地球環境に良い影響を及ぼすことにつながっていくことを期待しています。

6.環境問題に取り組んでいる企業はZEBに注目

ZEBを導入した先行ユーザーとして、環境問題に取り組む企業に向けてアドバイスがあればお願いします。

ZEBは設備投資という一面から見ると、投資金額が大きいのは事実です。しかし、環境問題、SDGs、カーボンニュートラルなどの観点から見れば、投資に見合うだけの効果は得られます。

積極的に環境問題に取り組んでいる企業の方々には、ぜひZEBをおすすめします。国の支援もあることから、躊躇する必要はないと思います。もちろん、簡単ではありませんが、ZEBプランナーに登録しているダイキンエアテクノのような企業のサポートがあれば、強力に推進してくれるはずです。

最後、ダイキンエアテクノへの期待をお聞かせください。

修理やメンテナンスが滞っているエリアもありますから、その辺りはぜひダイキンエアテクノにサポートいただけると助かります。同時にダイキンエアテクノからの提案にも期待しています。今後とも引き続きよろしくお願いいたします。

ダイキンエアテクノ担当より

ご提案から工事着工まで約1年、その間打ち合わせやご相談などでお時間を頂戴し、誠にありがとうございました。また、工事着工後も明和eテック全従業員様のご協力により完工に至ったこと、感謝申し上げます。弊社としても営業、工事、設計が一丸となり取り組み、大変思い出深い期間となりました。明和eテック様が目指すSDGsに多少なりとも関われたこと、とても嬉しく思います。高速道路からZEB認証された明和eテック様社屋が見えますが、走行中に本社屋を見るたびに、今日までの経緯が頭をよぎります。これからも、明和eテック様に喜んでいただけるようなご提案を積極的に取り組んでいきたいと考えております。ダイキンエアテクノを末永くよろしくお願い申し上げます。

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