オフィス
2022.04
千葉県
京葉ガス株式会社
既築ビルの設備改修でGHPにてZEB Readyを達成しました。
京葉ガス様はエネルギーの安定供給と保安の確保、また環境に配慮した企業活動により、快適な生活と豊かな社会の実現に貢献することを経営理念とされています。
特に脱炭素への貢献では再生可能エネルギー電源の開発や、天然ガス/省エネ設備への転換推進によるCO2排出削減を推進されています。
その中で京葉ガス様社屋の船橋ビルは設備改修により、空調熱源をGHPとした上で「ZEB Ready」を達成されました。
目次
GHPにてZEB化更新
京葉ガス船橋ビルのZEB取得に踏み切られた経緯をお聞かせ下さい。
近年、民間の物件でも環境負荷の少ないZEBに関するお問い合わせが増えてきていました。しかしGHPでのZEB取得事例は少なく、GHPをお使いのお客様にもZEB提案をしたいと思っていたところ、ちょうど弊社の船橋ビルの熱源機が経年更新のタイミングを迎えていたので、まずは自社ビルでZEB化にチャレンジしようと決めました。
既築ビルでZEB化出来たポイントを教えて下さい。
まずビルのエネルギー消費で大きな割合を占める空調機の見直しが重要と感じます。今回は既存の空調機の運転データを取得、分析することで今の運用実態に合った空調負荷を調べました。その結果、空調容量を約半分に見直すことが出来ました。更に全熱交換器の導入も大きなポイントとなりました。その他照明については概ねLED化しておりましたが、更に高効率なLEDへの更新実施、調光センサーの導入など汎用技術を上手く組み合わせました。ZEB評価に太陽光発電設備は必須ではありませんでしたが、停電時も日中は電力を確保できる点にメリットを感じ導入を決めました。
建物: | オフィスビル (鉄骨造/地上4階/延床面積2,204m2/竣工1983年) | |
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導入設備: |
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工期: | 2021年9月~2021年12月 | |
評価: | ZEB Ready(BELS)/一次エネルギー消費削減率 56% |
システム概要
ZEB化されたビルの快適性はいかがですか?
空調容量を約半分まで下げたにもかかわらず、現場からは問題なく非常に快適に過ごせていると聞いています。最適容量選定をしたことでランニングコストの削減も見込め、次回更新時の改修費用の削減も期待しています。またBEMSでエネルギーの使用状況が見える化されたことで、こまめに照明を消すなど現場の意識に変化が生まれてきたとも聞いております。
今後のZEB取組についてお聞かせください。
GHPを使われている既存のビルでもZEBのご提案が出来るという確証が持てました。GHPでも更新前の使用実態を知り高効率機を含む最適な機種選定をすることで、ZEBは達成出来るので今回得られた知見をお客さまに還元し、会社としてCO2削減に貢献していきたいと思っています。
提案のポイント
既築ビルでのZEB化もおまかせください
GHPかつ既築テナントビルでのZEB化は、一般的に難しいイメージが定着しています。
本件は、そういった市場の固定観念を払拭し、ZEB化へのハードルを下げる大きな役割を担う成功例となりました。また、空調能力を大幅に低減(ほぼ半減)させた計画ではありましたが、施工後に「効きが良くなった」というご評価をいただいております。エンドユーザー様への快適性と環境配慮の両立を実現させた、理想的な結果を残すことができました。
弊社では、単なる空調機更新に留まらない、高い付加価値を持った設計・施工を目指しています。ZEBに関しても、一つの窓口で全てのご提案(設計・施工、計測、補助金・認証取得申請業務)を完結させることが可能です。今後も、脱炭素社会への貢献に向けて、ZEBを検討される多くのお客様をサポートしていきたいと考えています。
取材日:2022年4月